ちくちく編むごもんちん

編み物の記録とその他雑感

ギャクマンガの向こうには

 

近頃はマンガやアニメと無縁の生活を送っている人は少ないと思います。

"マンガやアニメ好き=オタク"
という偏った方程式が、(今も多少は残っているかもしれませんが)まだ微かに残っていた頃に学生だったので、手軽に、身近に、マンガやアニメを楽しめる時代になって嬉しいです。

 

学生だった頃、少しはマンガを買っていたけれど、グロテスクな表現やショッキングな描写が苦手だと気付いてから、流行りのマンガと遠ざかり、物々しいアニメの効果音が苦手だと気付いてから、大体のアニメから遠ざかり…。
気付いたら、『クレヨンしんちゃん』と『おしりたんてい』のアニメを、なんとなく見るくらいになってしまいました。

 

家で日焼けしてしまった年期の入ったマンガ本を見ていると涙が出そうになるようになって、生活に支障が出そうだったので、集めていたマンガは処分してしまいました。
小説や写真集は大丈夫なのに、どうしてだろうか?
未だに理由は分かりません。

 

(こんな経緯があるので、マンガの話をするのは忍びないのですが)
兄と交代でお金を出して週刊少年ジャンプを買っていたとき、1番読むのを楽しみにしていたのは、うすた京介先生の『ピューと吹く!ジャガー』でした。

ストーリーの面白さはもちろん、ニャンピョウやミッキキマス太郎など、ユーモア溢れる独特なキャラクターに、夢中になりました。

 

小さな頃から、私はひどく内向的で、誰かと上手く話すことが出来ませんでした。
写真を撮るときも、うまく笑うことができずに、暗い顔で俯いてばかり。
それでも、『ピューと吹く!ジャガー』などギャグマンガを読むようになって、ちょっとずつ笑えるようになり、誰かと笑い合えることに喜びを覚えるようになりました。
口下手でひとりが好きな部分は変わらず、拙くて上手くいかないことも多いですが、少しはおしゃべりできるようになりました。

 

連載が終わって、週刊少年ジャンプの巻末からジャガーが無くなり(この作品は読者の人気に関わらず、1番最後に掲載されていた)、膝から崩れ落ちそうになるほどショックを受けました。

 

最終回のショックから数年経って、YouTubeでうすた先生が出演しているCMを見つけました。
このCMを、辛いときに見るようにしています。

https://youtu.be/w0O9aosEuTU?si=9IbpYYBKApfQyS05


子どもの頃は想像も出来なかった苦悩が垣間見得て、泣いてしまいそうになるし、勇気をもらいます。
エレファントカシマシを聴くようになったのもこのCMがきっかけでした。本当にありがたい。

 

マンガを描くことはもちろん、何をしていても、楽しいだけではなく、辛く苦しい場面に出会してしまうこともあるでしょう。
それでもひたむきに、物事に取り組む人が報われる社会だったらいいのにと、大したことは出来ないながらも願っています。